水を得たさかな

 97 total views

UFOに さらわれたいと 夢を見て
手作りの 世界の中は 心地よい
手放した 遊園地の 風船の行方
夕凪の 溶け合う風に 流されて
カラオケの 履歴をみては 安堵する
ハンガーに かける手間さえ 投げ出して

持っている 心を忘れて また買って
落ち着かぬ エンターの 音が響く
夢破れてよかったと酒はすすみ
走るだけ 走っても息は 上がらずに
眼鏡置く 私の世界は 泣いている

浮かぶ雲 流れる優雅さ 憧れて
地面にはりつく 足の重さに
髪の毛の 落ちたその先 探さずに
着る爪の あきらめの悪さに 疲弊する
息を止め 苦しいことを 確かめて
破裂しそうな 身体を待つ。

筆を執り 字が汚いと ノート閉じ
白紙の想いを かききれぬまま

綺麗なノートだけが積まれていく。

カーテンを 開くことすら 億劫で
陽の光にただ 溶けていく夢を見る。

傲慢に 君の幸せ 願う私は
切り刻む 私と貴方は違う人

恥知らず 外聞もなく 筆を執り
紙飛行機をただ とばすだけ

届けたい人は そばにいるのに

喜びは 貴方と食べる焼肉や
回るお寿司を見る君の顔

雨上がり 虹よ出るなと 空を見て
片方の 見つからなかった 靴下が
当然のように しまわれているだけ

忘れよう 過去の愚かな自分など
忘れよう 過去の恥ずべき自分など

石を蹴り 帰る道のり ふたりきり
ゆっくりと 姿を変える 日常の
アルバム捲れば 錆色の跡

悲しみを 綴ろうとして 筆乗らず
戻らない 何度もすがる あの日々は
今を生き ぐずる間に 眠くなり

逃げるなと 己にいうのは 己だけ
負けるなと 戦う相手は 透明で
もがけども 目に見える縄に しばられて
いっそ口まで封じてくれれば

日記帳 残せる言葉は 後悔だけか
使いたい 言葉は全部 意味がなく

忘れよう 恋に恋したあの日々は
忘れよう 愛を愛したあの日々を

肘をつき 膝立て猫背で 飯を食い

悲しみの 裏側にある 愛しさは
すれ違う言葉に 飲まれていくだけ。