かいわれ大根が可愛いので

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私は貴方になりたかった。

溢れないように蓋をしていたのですが、
ついにそれは壊れてしまいました。

私は、私を削りすぎて
本当に、ついに本当になくなってしまいそうです。

自分が表現したい心の動きは、
うすら寒かったのです。

貴方は、大丈夫といってくれたのに

自分の表現したい悲しみに
深淵などなかったのです。

それは、身を投げたら意外と浅い川のようで
誰にもみられていないのが幸いでした。

貴方の言葉はとてもやさしかったのに、
私は見ないふりをしていました。

うわべだけ色濃くなりすぎて
中身は、あると勘違いしていたのです。

何にもつかまることができない恐怖が襲う、
美しいと思える余裕もないような
宇宙に浮かんでいるだけでした。

私は貴方になりたかった。

でも、私が貴方になったら、

貴方はどこへ行ってしまうのですか。

私は落ち込むのではなく、ただ
血の池に浸っていただけなんです。

気持ちよくて、ひたひたと、
泳ぐことは苦手でしたが、
遊ぶことは好きだったんです。

私の嫌いな私こそが、
それが私だと、
私は思ってしまうのです。

私はあまりにたくさんの太陽をみて、
目の前が真っ暗になってしまったのです。

でも、期待に応えられぬ自分の様を
夢にまでみてきたので
私はあなたばかりをみてしまうので、

逆にこれで、よかったのかもしれません。

貴方の心からの言葉を聴いてきました。

貴方の心からの言葉を読んできました。

貴方が私にくれた言葉が、声が、

私をこれほどまで生かしてくれたのです。

貴方にはそれを、
知らないでいてほしい。

もし私の言葉が貴方に響くとしたら、
蚊が血を吸う時の針ほどでも刺さるとしたら、

私はこれを、貴方に捧げているのです。

貴方はそれを、
気づかないふりをしてください。

どんな声でも、どんな言葉でも、
どんな感情でも、どんな目的であっても、

貴方がそれを誰かの前で読みたいと思うことが、
表現したいと、伝えたいと思うことこそが、

私は、今、これ以上ないくらいに、
愛しいと思えるのです。

心から好きで、
心から羨ましいのです。

溢れないように蓋をしていたのですが、
自分でその蓋を取り去ってしまいました。

私は言葉で傷ついて、

私は言葉で傷つけて、

本当に、

言葉を繋げば繋ぐほどに私は弱く脆いものになってしまい
言葉を減らせば減らすほどに、私は怖くなってしまうのです。

貴方がくれる言葉が嬉しくて、
貴方に言わせてしまった言葉に後悔して、

こうありたいという自分と戦って、
ただの一度も勝てませんでした。

今の私はきっと、まさしく、
私という存在にふさわしい姿なのかもしれません。

でも、

貴方が読んでくれる物語が、
すごく好きな物語になりました。
貴方が好きだといった音楽を
私が先に知っていれば、貴方に紹介できたのにと思いました。
貴方の声で読まれる言葉は、
きっと私も好きな言葉だったのかもしれません。
貴方の好きだと言ってくれた私を、
私も好きになりたいと思ったんです。
それが、本当の私の姿だと、思っていてほしいのです。

私の世界と貴方の世界が、このままずっと続けばいい。
世界は、誰かが言葉を紡ぐ度に、
誰かがそれを読む度に、
彼方、千尋に広がっていくのです。

私はそれを、とても幸せだと思いました。
本当に素敵なことだと思いました。

たとえそれが、抱きしめたいほどにまぼろしだったとしても
この夢にずっと、酔っていたいと思ったのです。

人と向き合うことは、言葉と向き合うことは、
時に頭を抱え、時にあっけなく。
時にすがりつきたいほどに、現実を忘れさせてくれました。

扉はすぐに現れるかもしれません。
時間がかかるかもしれません。

ただ少し立ち止まりたいと思っただけなのです。

扉がまた現れたら、
迷うことなく開けますので、
その時まで、また。